いやぁ、「赤い暴走機関車」こと共産党の前・衆議院議員、清水ただしセンセは良いですね。彼のギャンブルにまつわる発言がいちいち面白く、思わず私のウォッチ対象リストに加えてしまいました。


清水センセ、前回投稿で私が指摘したカジノとパチンコに纏わる意味不明な言動の名誉返上・汚名挽回()すべく日本からパチンコと公営競技を撲滅する手法について研究&具体的なアイデアの募集を始めたようです。スバラシイですね。

ただ清水センセ、国政において少数野党の日本共産党がどんな「研究」をしたところで、公営競技やパチンコに纏わる国側の法律に手をツッコむことは実際のところ難しいワケで、清水センセの祈念する「全てのギャンブルが撲滅された社会」はなかなか実現しないのではないかなと危惧しております。そこで、僭越ながらギャンブル専門家である私の立場から、清水センセを代表する共産党の皆様でも実行力をもって行動できる施策を伝授いたしたいと思います。

1. 実は地方行政では共産党が与党の自治体がある

万年弱小野党の国政と違い、実は地方自治体レベルでは共産党が「与党」を担っている自治体は全国にも少なくありません。以下、日本共産党の公式サイトより転載。


日本共産党が与党の自治体
https://www.jcp.or.jp/web_jcp/html/locoal.html
2018年12月18日現在 自治体数62


実は、昨年末時点で全国で62も日本共産党さん自身が「己が与党だ」と主張していらっしゃる自治体が全国には存在しており、日本共産党さんは地方自治レベルでは思ったより全国に浸透してらっしゃるわけです。

2. まずは公営競技の廃止から始めましょう

そして上記「共産党が与党の自治体」のリストの中には、公営競技の実施主体(施行者)となっている自治体が少なからぬ数で含まれています。例えば私がざっと見た感じですと、東京圏域では世田谷区と中野区で「共産党が与党」と謳われていますが、この両自治体は「特別区競馬組合」の一画として大井競馬(東京都競馬)の主催者となっています。また、小平市と武蔵野市は京王閣競輪の主催者、武蔵野市はそれに加えて江戸川競艇の主催者でもあります。共産党さんはこれら自治体の「与党」であると標榜していらっしゃるわけですから、まず率先して東京都競馬、京王閣競輪、江戸川競艇の廃止なり開催規模の縮小なりを実行力をもって実施して頂ければ良いと思います。

また、関西側に挙げられた自治体リストでいうと、宝塚市は中央競馬の阪神競馬場の立地自治体となっています。阪神競馬は、日本中央競馬会が施行者の公営競技であり宝塚市が直接運営しているワケではないですが、当然ながら立地自治体として日本中央競馬会に対して各種要望や意見を申し入れることが出来る立場にあります。会営競馬場所在都市議会協議会と呼称される会が定期開催されており、日本中央競馬会およびそれを所管する農水省に対して要請活動を行っていますから、是非、その場で阪神競馬の廃止を訴えて頂ければ宜しいかと思います。

立地自治体が「本気で」廃止を訴えた場合、いかに中央競馬であれども、それに一切の対応を行わないなどというスタンスは採れないものと思われます。

3. パチンコ店の出店規制をしましょう

パチンコは国側が制定する風俗営業法の定める基準に則って、各都道府県の公安委員会から許可を取得した上で営業が可能な業態でありますが、実は我が国の地方自治体ではこの風営法の定める基準に「上乗せ」の出店規制をかけることで、市域で実質的にパチンコ店の出店を禁止している自治体があります。

具体的には
大阪府狭山市のパチンコ遊技場等及びゲームセンターの建築の規制に関する条例
http://www1.g-reiki.net/osakasayama/reiki_honbun/k233RG00000387.html

及び
兵庫県芦屋市の芦屋市生活環境保全のための建築等の規制に関する条例
http://www1.g-reiki.net/ashiya/reiki_honbun/n700RG00000488.html

など、奇しくも条例でパチンコ店の出店規制をかけている両自治体は清水センセのお膝元の関西エリアの自治体ばかりです。

実は厳密にいうと、これら条例が風営法の定めに則って実効性を持つ条例といえるのか?には専門的な論争はあるのですが、少なくとも「今のところ」これら条例は機能しているのが実態。これら自治体では現実に、市域に(ほぼ)パチンコ店は存在しません。共産党が与党であると標榜している全国62の自治体においてこれと同様の条例の制定を行って頂ければ、実質的にパチンコ出店を禁止の輪を広げて行くことが可能となります。

…ということで実は国政側で日本共産党による共産主義政権の成立を待たずとも、地方自治体側の「与党」の立場で日本に既に存在するギャンブルを減らしてゆくことは可能。万年少数野党で、ともすれば野党連合からも弾かれてしまいがちな共産党の立場で、清水センセが何をヤイヤイ言っても国政におけるギャンブル廃止など実現しませんから、まずは是非「与党」として共産党が実行力を保有する各自治体において皆様の理想を実現して頂ければ幸いであります。

最後に、本項をお読み頂いている共産党以外の皆さんは「共産党に本当にギャンブルの撤廃など出来るわけない」とお思いかもしれませんが、我が国でもかつて東京都において日本共産党が「与党」となった美濃部亮吉都政の時代に競輪・地方競馬・競艇・オートレースとそれまで都が行ってきたすべての公営競技を撤廃したという実績があります。

かつて美濃部亮吉が実際にやったことを今の日本共産党と清水センセが出来ないワケがない。行け行け共産党、Let's Go清水センセ。私としては、今後も清水センセのご活躍を生温かく見守って参りたいと思うところで有ります。