産経新聞が超正論を吐いていて驚きました。以下、産経からの転載。


朝日・毎日への反論(11) 「反対ありき」のカジノ反対報道は読者を欺いてはいまいか?
http://www.sankei.com/politics/news/141022/plt1410220001-n1.html

大体、朝日や毎日などがギャンブルを「悪」としてとらえる論調を掲げるなら、競馬などの公営ギャンブルやパチンコなども止めるべきだと主張すべきです。しかし、競馬などは自分たちの新聞で予想や結果を掲載しているではありませんか。また、新聞には多くのパチンコ店のチラシが毎日のように入っているではありませんか。ギャンブルに反対するなら、その新聞はこれらを止めるべきです。それを棚に上げて何を言っているのかと言いたくなります。


非常にごもっとも、おっしゃる通りでございます。
朝日も毎日も、先に発表された厚生労働省の調査を引き合いに出しながら、日本のギャンブル依存症の実態が如何に深刻であるかをアピールし、「カジノ合法化などトンデモナイ」という論調を作っているワケですが、実はそれらの原因を作っているのは当然ながら現時点で日本に存在しないカジノではなく、既存の賭博やその類似産業たるパチンコなのですよねぇ。

一方で産経新聞が指摘するように、朝日や毎日も他紙に違わず、報道や広告によって公営競技やパチンコへの国民参加を広げる一翼を担っているわけです。ギャンブル拡散の片棒を担ぎながら、一方で「ギャンブル依存の実態を直視せよ!」なんて言っても全く説得力はないという産経の主張はまさに正論。っていうか、そもそも朝日新聞はニッカンスポーツ、毎日新聞はスポーツニッポンと、それぞれが系列スポーツ紙を持っているワケで、そちらに至ってはむしろギャンブルがメインコンテンツじゃないですか。なんという事でしょう、毎日と朝日は我が国のギャンブル依存症の実態を直視すべきです(棒


【参考】
社説:ギャンブル依存症 深刻な実態を直視せよ(毎日新聞)
http://mainichi.jp/opinion/news/20140818k0000m070118000c.html
カジノ法案―懸念材料が多すぎる(朝日新聞)
http://www.asahi.com/articles/ASGBM4QV2GBMUSPT001.html


産経としてみれば満を持して放った渾身のコラムだったのでしょうが、惜しむらくはカジノ法案審議の環境が一変してしまったこと。女性2閣僚の辞任によって巻き起こっている政治的混乱で、もはやカジノ法案どころの騒ぎじゃいという様相なのも実態なのですが、毎日と朝日はこの産経の放った正論に対してどのように答えるのでしょうか。彼らにとっては「痛いとこを突かれた」状態であって、この混乱に乗じてウヤムヤにするのが一番楽な逃げ道なんでしょうなぁ。

*)朝日は、社説以外の部分では両論併記の良記事を掲載してきているという事だけは、最後に申し添えておきます。毎日はもはや両論もクソもないけど。