さて、やっと政府から新しいIRの基本方針案が発表されました。以下、紀伊民放からの転載。


IR整備の申請延期「不満で遺憾」 和歌山県知事
https://www.agara.co.jp/article/85343

国は9日「カジノを含む統合型リゾート施設」(IR)の自治体からの区域整備計画案の申請開始時期を、新型コロナウイルスの影響や各自治体の準備遅れなどを考慮して9カ月延期し、来年10月からとする方針を決めた。和歌山県の仁坂吉伸知事は「国は予定通りやりますと言うから、それに従って一生懸命やってきた。不満で遺憾だ」との考えを示した。

国は当初、自治体と運営事業者が共同策定した区域整備計画案を来年1月4日~7月30日に受け付け、最大3カ所の開業地域を決めるとしていた。新型コロナ感染拡大によりIR誘致を目指す他の自治体の準備に遅れが出る中、県では和歌山マリーナシティ(和歌山市)への誘致に向け、予定通り進めてきた。


昨年11月に基本方針案の公表が為されるも、その後発生したカジノを巡る汚職事件やコロナ禍などによって完全に「宙ぶらりん」状態になっていた政府によるIR整備基本方針が、10カ月の時を経て、やっと再始動することとなりました。一方で和歌山県の仁坂知事が激オコであるのは当然のことでありまして、全ての起点となる国の方針がそのまま計画通りに進められるのか、もしくは変更となるのかすらも発表されぬまま、延々と都道府県等や民間側は対応を迫られてきたワケで、完全に国の所管を持つ省庁側の責任放棄と言われても仕方がない状況でありました。

とはいえ、完全停止していた本件がやっと再起動したという面では歓迎すべきことではあるのですが、これから大変になるのは我が国のIR政策の「再定義」であります。現在、菅政権では年末に向け、今回我々が直面したコロナ禍を受けて、我が国の国際観光振興戦略の巻き直しが始まっています。当然ながら、2018年に達成された我が国のカジノ合法化とIR導入政策も、コロナ禍の影響を受けないはずがないわけで、これまで様々論議が積み重ねられてきた内容も時代の変化に則したものに、変わって行かなけばなりません。

一方で、殊に地域政策としてIR導入が検討されている地域においては、その導入に対して反対論が噴出しているのも実態。横浜では横浜へのIR導入に反対する団体が行っていた「住民投票の実施を求める署名」が、住民投票請求に必要な数を超えたとの報道もありました。以下、NHKからの転載。



カジノ含むIR誘致 住民投票実施の署名が必要数超える 横浜
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201007/k10012652901000.html

横浜市が誘致を目指すカジノを含むIR=統合型リゾート施設をめぐって、その是非を問う住民投票を実施しようと署名活動を行っている団体が、住民投票の請求に必要な6万2500人余りの署名が集まったと明らかにしました。横浜市は、横浜港へのIR施設の誘致を目指していますが、反対する市民らで作る団体が誘致の是非を問う住民投票を実施しようと来月4日までの日程で署名活動を続けています。



住民投票の請求は、それを付託された議会による議決がなければ実施まで至らない仕組みとなって居るので、横浜で実際に住民投票の実施にまで至るのかどうかはまだ判りませんが、想像以上に組閣後の支持率の高かった新生・菅政権に対して、カジノは野党にとって数少ない「攻め手」のひとつ。間違いなく少なくとも1年以内に実施される総選挙まで、このテーマでの論議は全国各地で「燃え」続けるのは確実でありましょう。

当然、その論議の行方次第では、これまで優位とされていた候補地や事業者が、誘致レースから一気に転落してしまう事もありうるわけで、これから1年は攻める側にとっても守る側にとっても間違いなく「天王山」となってくるわけで、この1年は我が国のIR導入計画において本当に重要な1年になるのだろうなあと思っておるところであります。

ということで、本日は国がIR政策を再始動させたことに対する所感として簡単に。より細かな論議は、次回以降に引き続き論じて参りたいと思います。