さて急転直下、現金10万円の配布がきまったようです。以下、NHKからの転載。


一律10万円給付へ 公明 斉藤幹事長「5月下旬~6月初旬には」
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200417/k10012392161000.html

新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく「緊急事態宣言」について、政府は16日夜に開いた対策本部で、安倍総理大臣は、すべての国民を対象に、一律で1人あたり10万円の給付を行う方向で、与党で検討を進める考えを明らかにしました。


108もの煩悩を抱えながら生きている我々人類としては、そりゃあ「貰えるものは貰いたい」でしょうし、どうせ貰うなら流動性の高い現金で貰った方が嬉しいというのは、私自身も煩悩を抱える人間として判ります。ただ、その煩悩をちょっと抑えた上で、「5月下旬から10万円配布」という施策をもう一度、考えてみて欲しいのです。

皆さんそれぞれ色んな「自粛」をしていますから、そりゃ何かしらの生活の不自由や不安は抱えていらっしゃるのでしょうけども、一方でこのコロナ禍が生活に影響を与える程の経済被害をどれだけ産んでるのでしょか。年金生活者なんてのは、このコロナ禍による経済影響は受けないですし、公務員だってまあ関係ない。もっというと民間だって、世の消費が「家籠り」してゆく中で、生活財に関連する業態であったりとか、ネット系サービス業だとかは寧ろ好景気に沸いてたりするわけで、よく考えてみるとこのコロナ禍でどれ位の人が生活が困窮するようなレベルの経済被害を受けているかというと、実はそうでもない人が世の中の大半を占めているワケです。以下参照。

イオン、従業員に一律1万円支給へ
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3956807.html
スーパー「ライフ」全従業員に総額3億円
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3956117.html
スギ薬局、全従業員にボーナス 通常営業の奮闘ねぎらう
https://www.asahi.com/articles/ASN4H4QFBN4HOIPE00V.html
【ズームアップ】コロナショック受け食品宅配活況
http://cargo-news.co.jp/cargo-news-main/2201
『あつまれ どうぶつの森』が世界的ヒット 新型コロナの影響
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200401-00010021-realsound-ent
世界のアプリ売上は1四半期で2.5兆円、コロナで最高額更新
https://forbesjapan.com/articles/detail/33478

で、冒頭にご紹介したニュースでは、今年の5月下旬から全国民に10万円の現金給付が始まるってことなのですが、果たしてこの「あぶく銭」の消費っていうのはどこに向かってゆくのでしょう。私自身はレジャー観光産業側の人間ですが、今、コロナ被害で一番痛んでいるこの業界が5月の下旬から6月に通常営業に戻れているなんて楽観予測はビタイチ持ってないわけです。

となると、この「あぶく銭」消費がどこに向かうかというと、結局、今痛みを受けていない産業、それこそ上に挙げたような生活財やネット系サービスなど、むしろ今、コロナ禍で好況に沸いている各業界の方々がその「あぶく銭」の争奪戦を始める事が目に見えているワケで、これって何のための給付金でしたっけ?と我々の業界側からは冷ややかな視線でこの政策を眺めるしかないワケですね。

生活困窮者への必要な支援ならまだしも、なんとも不可解なことになって来ました。