さて、参院選が終わりました。参院選の所感に関しては昨日、yahoo!ニュース側のコラムに上げておりますので、そちらをご覧下さい。既に、かなりたくさんの方に読んで頂けているようで、大変有難いです。

参院選:「マンガ候補」と「パチンコ候補」好対照な結果に
https://news.yahoo.co.jp/byline/takashikiso/20190722-00135187/

ということで今回、パチンコ業界が尾立氏を族議員として国会に送り込もうと算段し、それに敗れたワケですが、この一連の出来事の背景にあるのがパチンコ業界人が共通して持つ「我々は抑圧された産業であり…」という被害者意識です。その象徴とも言えるのが、尾立氏自身が選挙戦のさなか、全国のパチンコ業界団体会合を訪れては主張していた以下のメッセージです。


このメッセージにパチンコ業界人の方々は気勢を挙げながら喜んでいたワケですが、カジノ業界側にいる私なんかからすると「何デスカソレハ?」と頭にハテナマークが飛びかうワケです。

我が国のギャンブル等依存を疑われる人の推計値に関しては色々な論がありますが、かねがね

・生涯のうちに一度でも依存を疑われる状態になったことがあるであろう人数が320万人
・直近1年のうちに依存を疑われる状態になったことがあるであろう人数が70万人

程度いるのではないかというのがおおよその数字となっています(※異論もあり)。また臨床の現場では、このギャンブル等依存を疑われる者のうち、おおよそ8~9割程度がパチンコに対する依存であるとされており、近年、パチンコ産業を巡って厳格化された規制の運用/もしくは規則改訂は、主にこのパチンコ依存への対策の為に行われたものであります。

で、尾立さんおよび、彼の演説を聞いて気勢を挙げていらっしゃった業界団体の方々に伺いたいんですが、これって「カジノのスケープゴート」なんですっけ?

昨年成立したギャンブル等依存症対策基本法に基づき、今年から毎年5月に開催される依存症問題の啓発週間においてパチンコ業界が開催した下記イベントに関して、以下のような報道が行われました。以下、テレ朝ニュースより転載。


「啓発週間」でパチンコ業界 依存症対策イベント

カジノを含むIR(統合型リゾート)の誘致でギャンブル依存症への対策が求められるなか、パチンコ業界が依存症問題に関して「パチンコを取り除いても解決につながらない」などと訴えました。

パチンコ業界が主催したイベントには関係者ら約500人が集まり、ギャンブル依存症について「真の原因は職場や家族などにあり、パチンコを取り除いても解決につながらない」などとして問題への理解を求めました。 

14日からは、カジノを含むIRの整備のために作られた法律で「依存症問題の啓発週間」と定められています。政府は成長戦略としてカジノ誘致を推し進めていますが、ギャンブル依存症の疑いがある人は全国ですでに320万人に上り、具体的な対策が求められています。

テレ朝 news(5/15(水) 8:02配信) (※下線は筆者)


パチンコ業界が依存問題に対して「真の原因は職場や家族などにあり、パチンコを取り除いても解決につながらない」などという主張をしているなどと報じられた時、世間からはそのパチンコ業界のスタンスに大きな批判が集まり、業界の皆様は「切り取りだ/真意ではない」と様々な釈明に追われましたね。

ところが、その舌の根も乾かぬうちに今度は「ただただ日本にカジノを入れたいために、遊技業界がスケープゴートされている」などとのたまう候補者を担ぎ、それを拍手喝采して業界団体関係者一同で迎える。先の騒動は「切り取り」であったけれども、こっちがパチンコ業界の真意であったということなのでしょうか?

繰り返しますが、今国内に70万人存在していると言われているギャンブル等依存を疑わる人達は、その内のほとんどがパチンコ産業が提供しているサービスに対して依存をしている人達であり、日本にカジノが出来る/出来ないに関わらず存在している、そしてこれから先も存在してゆくであろう人達です。もう一度聞きますが、それに対して何らかの対処をしなければならなくなったのは「日本にカジノを入れたいために、遊技業界がスケープゴートされている」からなんでしたっけ?

もし本気でその様な主張をし、それを支持していらっしゃるのだとすれば、正直、パチンコ業界の方々の良識を疑わざるを得ません。

(本エントリは次回に続きます)