カジノ合法化に関する100の質問

日本で数少ないカジノ専門家、木曽崇によるオピニオンブログ

今日は今開発中のデジタル三店方式ゲームに関してツラツラと:

実は今開発しているのは、まさにパチンコ/パチスロの遊技性をどうやってオンライン化するかを追求した新しいゲームです。ていうか、僕的にはゲームを開発している意識は無くて、寧ろゲーム「プラットフォーム」を作っているつもり。

皆さんもご承知の通り、現在パチンコを除く全ての射幸性ゲームは市場拡大の真っただ中で、公営競技から違法なオンラインカジノまで、トンデモナイ勢いで成長している。その要因は間違いなくデジタル化、コロナ禍で内籠り化した娯楽消費を各業界が上手につかみ急速に市場拡大した。一方でパチンコ/パチスロは法律上、ネット化が難しく、それが周辺産業に取り残される最大の原因に。

僕の長いフォロアーさん達はご承知だと思うけど、僕はこの分野の専門家として「難しい」とはいえ、パチンコ業界はデジタル化にチャレンジしなければ産業として衰退してしまうってお話を、ホントここ十数年に亘ってずっとしてきてる。思考実験的に「こういうやり方もあり得るのでは?」なんてことをtwitter上で紹介したこともある。ただ、パチンコ業界は皆さんご承知の通り?非常に保守的な業界で、基本的には(主に行政から)目を付けられるような事は積極的にやりたがらず、確たるイノベーションは起こってこなかった。結果、今や周辺産業に一方的に喰われる存在に。

今回のプロジェクトは、僕自身が研究者としてではなく、もはやイチ事業家として「出来ること」をやってしまおうという試み。そのキッカケは2つあって、一つ目がパチンコ業界「外」から、そこにチャレンジしてみたいという業者さんが現れたこと。もう一つがNFTという技術が登場した(というよりはそれに伴う各種概念が一般化した?)こと。この両パーツが丁度タイミングよく僕の手元に現れたことで、僕自身がやる以外にはおそらく誰もやらない/やれない事は、もはや自分でやってしまおうと。結果、その業者さんに本プロジェクトの担当役員として加わることになり、現在に至っています。

本プロジェクトは、僕にとっては僕自身の研究者としての知見を総動員した、パチンコ/パチスロのデジタル化に対する答え。勿論、今の遊び方をそっくりそのままデジタル化する事は出来ないのだが、こういう形であれば今ある「遊技体験」を未来に遺してゆくことが出来るんじゃないでしょうか?という僕なりの提案なんですよね。なので、僕にとっては単にゲームを開発しているというよりは、デジタル上で業界が発展できる新たな足場、すなわち新しいプラットフォームを作っているつもり。そういう気持ちで、頑張って日々、脳ミソを絞っています。

一般へのお披露目はおそらく今夏以降、緩く期待してお待ちください。

ドイツ、スペインと世界の強豪を相手に勝利をおさめ、日本代表チームの劇的な決勝トーナメントへの進出が決定したサッカーW杯2022でありますが、アメリカからとても衝撃的な調査結果の発表がありました。以下、米国ゲーミング協会による公式より。

2050万人のアメリカ国民が、FIFA 2022 W杯に180億ドル(約2.5兆円)の賭けを行う?
20.5 Million Americans to Wager $1.8B on 2022 FIFA World Cup

米国ゲーミング協会が先月実施した調査による推計では全米の成人人口における8%、2050万人相当のアメリカ人が2022年FIFA W杯において賭けに参加し、そのベット総額は2.5兆円にもおよぶとの推計結果が出たとする記事です。

本調査自体はW杯の開催直前である先月時点で実施されたアンケート結果に基づくもので、あくまで予測値であるものの、同団体が実施した調査結果に基づけば;

・全アメリカ成人人口の約28%が今回のW杯の観戦を予定しており
・その観戦者のうち約29%がゲームへの賭けを企図している
・またZ世代やミレニアム世代などの若者層の方が、それ以上の高齢世代と比べて賭けを企図している比率が高い

ことなどが判明したとのことです。現在、アメリカではスポーツ競技の試合結果を予想して賭けを行わせるスポーツベットの合法化が全米各州で急速に拡大しており(※連邦制のアメリカでは各州ごとの合法化)、現在31の州および首都特別区域でスポーツベットが合法化され、他5つの州において合法化の準備が進められています。

スポーツベットの合法化は、我が国においても与党・自民党のスポーツ立国調査会内に設置された小委員会(スポーツビジネス小委員会)や、経済産業省の設置する有識者会議「スポーツコンテンツ・データビジネスの拡大に向けた権利の在り方研究会」などでもその合法化の是非に関する検討が始まっていますが、現在進行形で合法化が広がっているアメリカにおけるスポーツベット市場の拡大は、我が国にとっても非常に参考になる事例になります。

ツイッターのタイムラインを眺めていたら、こんな写真が流れてきて思わず笑ってしまったワケです。
先月末に訃報が伝えられたばかりのソビエト連邦の民主化の立役者であったゴルバチョフ・元大統領。その訃報にあたって、かつての来日時に日本のパチンコを体験し、ご機嫌であったというエピソードが紹介されギャンブル業界人の私としては思わずホッコリしてしまったわけです。

共産主義下で宝くじを含め全ての賭け事を禁止していたソビエト連邦の民主化、自由化を実現したゴルバチョフ氏が、ある意味では自由主義の象徴と言ってもいいギャンブルを来日の際に謳歌する。上記写真は一見ほほえましく(?)も見えますが、実は高度に政治的メッセージを含んだパフォーマンスであったのでは?と個人的には思うわけです。

わが国では日本の共産主義化を党是として掲げる日本共産党は勿論のこと、社会主義的な思想を持っている左派系勢力の方々を中心に「アンチギャンブル」の言説が取られがちですが、逆に我々ギャンブル業界人は「ギャンブル業界こそが自由主義の象徴なのだ」という自負をもって、堂々と「他者への権利侵害がない限りにおいて、この国は自由権が認められているのだ」ということを主張してゆくべきなんだろうなあ、と改めて思った次第です。

以下の様な記事が普通に配信されていて驚いたわけですよ。以下、SOCCERKINGからの転載。

南野拓実加入のモナコ、カジノシークレットが日本公式オンラインゲーミングパートナーに

https://news.yahoo.co.jp/articles/acaa4b7a43e21326260ffd59de1368cb81998af6


日本代表FW南野拓実が所属するモナコは16日、オンラインカジノ『カジノシークレット(Casino Secret)』が今後2シーズンにわたって日本公式オンラインゲーミングパートナーとなることを発表した。

「日本で最も急成長している革新的なオンラインカジノの1つであるカジノシークレットは、今後2シーズンにわたり、ASモナコの日本公式オンラインゲーミングパートナーになります。日本市場にフォーカスする企業と提携する事により、ASモナコは日本のサッカーファンにアプローチする新たなステップを進んだ事となります。カジノシークレットとASモナコは共にこの新たなパートナーシップを記念し、日本のオーディエンスを対象に、一連のインパクトの高い限定デジタルキャンペーンを展開していきます」

つい数か月前に発生した誤給付問題で連日メディアで問題が語られたネットカジノが、その舌の根も乾かぬうちにこうやって日本進出を大々的に宣言し、それをメディアが取り上げる。こうやって、また違法なネットカジノ利用が広がってゆくわけです。

以下、今年6月1日にフラッシュにて報道された岸田総理のオンラインカジノに関する国会答弁。

岸田首相も規制に踏み切る「オンラインカジノ」の実態…夜な夜なカップルが大金を持って繁華街の雑居ビルに…

https://news.yahoo.co.jp/articles/bf8207681a4f8cf8b617cb170e81397636f8fdfd


6月1日、岸田文雄総理は、衆議院予算委員会の集中審議でオンラインカジノについて「違法なものであり、関係省庁と連携し、厳正な取り締まりをおこなう」との考えを示した。


「山口県阿武町が、新型コロナの給付金を、誤ってひとりに4630万円振り込んだ事件が大きいでしょう。逮捕された男性は『オンラインカジノで使い切った』と話していましたからね。野党側は『放置するのか』と迫り、岸田首相も、売り言葉に買い言葉だったようですが……」(全国紙記者)

以上、岸田総理自身が語っている通り、日本国内から海外ネットカジノを利用する行うことは明確に違法です。当該衆院予算委員会では、岸田総理自身が「厳正な取り締まり」を約束したばかりでありますが、冒頭でご紹介したような業者が未だ大々的に宣伝を行っている実態を政府の関係機関はどのように捉えているのでしょうか?

この問題への対策必要性を十数年に亘って訴え続けてきた私としては、政府の今後の動向に中止せざるをえないわけです。

さて、現在世間を騒がせている山口県で発生した4630万円の誤給付問題ですが、容疑者の男がその全額をネットカジノに使ったなどという証言をしているとの事で、思わぬ形で私の専門に火が付き、現在、マスコミ対応で大わらわとなっておるところです。

現在、容疑者は給付金をネットカジノに使った事の証明として代理人弁護士を通じてネットカジノへの銀行振込記録を提示している状況でありますが、この分野の専門家として申し上げるのならば、あの記録は何の証明にもなっておりません。ネットカジノというのは、ゲームプレイにあたって最初にカジノ事業者に向かってデポジット(入金)を行い、そこから賭けを行うことで遊びます。現在容疑者が提示している銀行振込記録は、その為のデポジット(入金)をカジノ事業者に向かって行ったという記録を示すものであり、ゲームの中で実際にその金額を費消したことの証明にはなっていません。

容疑者がもしそれを積極的に証明したいのならば、カジノが発行する「Win-Lossレポート」と呼ばれる各プレイヤーのゲーム上の勝敗状況を示したレポートを提示することが必要。このレポートに総計で-4630万円が記載されていて、初めて「全額を費消した」ことの証明となります。逆に言えば、このレポートが出ていない現状は未だ「全額費消した」とする容疑者の主張は信用に値する根拠がない、ということになります。

またネットカジノにおいては、デポジット(入金)の他に、当然ながら自身が保有している資金のキャッシュアウト(出金)も可能です。いわゆる典型的なマネーロンダリングの手法となりますが、対策のゆるいネットカジノでは入金元となった銀行口座と異なる出金用の口座を予め別に用意しておき、カジノを経由して右から左に資金を動かすということも有りえます。この場合には、既に容疑者が別の場所に不正に入手した資金を移してしまっている可能性すらあるわけで、繰り返しになりますが「入金」記録だけでは、なんらカジノでの費消を裏付ける根拠とはならないわけです。

一方、そもそも論として、本記事をご覧になっている多くの読者の皆さんにとっては「インターネットカジノ」なるものが、こんなに簡単に利用できてしまっている日本の現状に対する驚きの方が大きいのかもしれません。しかし今回の容疑者がそうであったように、残念ながら日本では合法とされていないはずのインターネットカジノは、既に皆様の手元のスマートホンから365日24日でアクセス可能となっています。

現在、この原稿を書いているのは5月20日ですが、実は毎年5月14日から20日は2018年に成立したギャンブル等依存症対策基本法の定める「依存症問題啓発週間」であり、4公営競技、パチンコ産業、貸金業、銀行業など、ギャンブル依存にまつわる各国内産業はこの1週間で一般への認知普及の活動を行い、就業者への教育を行うなど様々な取り組みを行っています。しかし、海外に拠点を置くネットカジノ業者は当然ながら日本の法律の規制下にありませんから、国内のギャンブル等産業に課されている様々な依存症対策などは講じられていません。要するに、いまや最も日本国民の身近からアクセス出来るという高リスクなギャンブル業態が、制度的に野放し状態で放置されているという状態になっているということです。

国境をまたいで提供されるインターネットカジノへの各種対策に関しては、実はギャンブル専門家として私自身が10年来、その必要性を訴えてきたことがらでもあります。以下の動画には、我が国を取り巻くインターネットカジノの現状から海外事情、そして本来ならばどの様な対策をもってそれらに臨むべきなのかなどを纏めております。今回の事件にあたって、インターネットカジノ問題に関心を持って頂いた方、対策の必要性をご認識頂けた方には、是非一度ご視聴頂けましたら幸いです。

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