カジノ合法化に関する100の質問

日本で数少ないカジノ専門家、木曽崇によるオピニオンブログ

ツイッターのタイムラインを眺めていたら、こんな写真が流れてきて思わず笑ってしまったワケです。
先月末に訃報が伝えられたばかりのソビエト連邦の民主化の立役者であったゴルバチョフ・元大統領。その訃報にあたって、かつての来日時に日本のパチンコを体験し、ご機嫌であったというエピソードが紹介されギャンブル業界人の私としては思わずホッコリしてしまったわけです。

共産主義下で宝くじを含め全ての賭け事を禁止していたソビエト連邦の民主化、自由化を実現したゴルバチョフ氏が、ある意味では自由主義の象徴と言ってもいいギャンブルを来日の際に謳歌する。上記写真は一見ほほえましく(?)も見えますが、実は高度に政治的メッセージを含んだパフォーマンスであったのでは?と個人的には思うわけです。

わが国では日本の共産主義化を党是として掲げる日本共産党は勿論のこと、社会主義的な思想を持っている左派系勢力の方々を中心に「アンチギャンブル」の言説が取られがちですが、逆に我々ギャンブル業界人は「ギャンブル業界こそが自由主義の象徴なのだ」という自負をもって、堂々と「他者への権利侵害がない限りにおいて、この国は自由権が認められているのだ」ということを主張してゆくべきなんだろうなあ、と改めて思った次第です。

以下の様な記事が普通に配信されていて驚いたわけですよ。以下、SOCCERKINGからの転載。

南野拓実加入のモナコ、カジノシークレットが日本公式オンラインゲーミングパートナーに

https://news.yahoo.co.jp/articles/acaa4b7a43e21326260ffd59de1368cb81998af6


日本代表FW南野拓実が所属するモナコは16日、オンラインカジノ『カジノシークレット(Casino Secret)』が今後2シーズンにわたって日本公式オンラインゲーミングパートナーとなることを発表した。

「日本で最も急成長している革新的なオンラインカジノの1つであるカジノシークレットは、今後2シーズンにわたり、ASモナコの日本公式オンラインゲーミングパートナーになります。日本市場にフォーカスする企業と提携する事により、ASモナコは日本のサッカーファンにアプローチする新たなステップを進んだ事となります。カジノシークレットとASモナコは共にこの新たなパートナーシップを記念し、日本のオーディエンスを対象に、一連のインパクトの高い限定デジタルキャンペーンを展開していきます」

つい数か月前に発生した誤給付問題で連日メディアで問題が語られたネットカジノが、その舌の根も乾かぬうちにこうやって日本進出を大々的に宣言し、それをメディアが取り上げる。こうやって、また違法なネットカジノ利用が広がってゆくわけです。

以下、今年6月1日にフラッシュにて報道された岸田総理のオンラインカジノに関する国会答弁。

岸田首相も規制に踏み切る「オンラインカジノ」の実態…夜な夜なカップルが大金を持って繁華街の雑居ビルに…

https://news.yahoo.co.jp/articles/bf8207681a4f8cf8b617cb170e81397636f8fdfd


6月1日、岸田文雄総理は、衆議院予算委員会の集中審議でオンラインカジノについて「違法なものであり、関係省庁と連携し、厳正な取り締まりをおこなう」との考えを示した。


「山口県阿武町が、新型コロナの給付金を、誤ってひとりに4630万円振り込んだ事件が大きいでしょう。逮捕された男性は『オンラインカジノで使い切った』と話していましたからね。野党側は『放置するのか』と迫り、岸田首相も、売り言葉に買い言葉だったようですが……」(全国紙記者)

以上、岸田総理自身が語っている通り、日本国内から海外ネットカジノを利用する行うことは明確に違法です。当該衆院予算委員会では、岸田総理自身が「厳正な取り締まり」を約束したばかりでありますが、冒頭でご紹介したような業者が未だ大々的に宣伝を行っている実態を政府の関係機関はどのように捉えているのでしょうか?

この問題への対策必要性を十数年に亘って訴え続けてきた私としては、政府の今後の動向に中止せざるをえないわけです。

さて、現在世間を騒がせている山口県で発生した4630万円の誤給付問題ですが、容疑者の男がその全額をネットカジノに使ったなどという証言をしているとの事で、思わぬ形で私の専門に火が付き、現在、マスコミ対応で大わらわとなっておるところです。

現在、容疑者は給付金をネットカジノに使った事の証明として代理人弁護士を通じてネットカジノへの銀行振込記録を提示している状況でありますが、この分野の専門家として申し上げるのならば、あの記録は何の証明にもなっておりません。ネットカジノというのは、ゲームプレイにあたって最初にカジノ事業者に向かってデポジット(入金)を行い、そこから賭けを行うことで遊びます。現在容疑者が提示している銀行振込記録は、その為のデポジット(入金)をカジノ事業者に向かって行ったという記録を示すものであり、ゲームの中で実際にその金額を費消したことの証明にはなっていません。

容疑者がもしそれを積極的に証明したいのならば、カジノが発行する「Win-Lossレポート」と呼ばれる各プレイヤーのゲーム上の勝敗状況を示したレポートを提示することが必要。このレポートに総計で-4630万円が記載されていて、初めて「全額を費消した」ことの証明となります。逆に言えば、このレポートが出ていない現状は未だ「全額費消した」とする容疑者の主張は信用に値する根拠がない、ということになります。

またネットカジノにおいては、デポジット(入金)の他に、当然ながら自身が保有している資金のキャッシュアウト(出金)も可能です。いわゆる典型的なマネーロンダリングの手法となりますが、対策のゆるいネットカジノでは入金元となった銀行口座と異なる出金用の口座を予め別に用意しておき、カジノを経由して右から左に資金を動かすということも有りえます。この場合には、既に容疑者が別の場所に不正に入手した資金を移してしまっている可能性すらあるわけで、繰り返しになりますが「入金」記録だけでは、なんらカジノでの費消を裏付ける根拠とはならないわけです。

一方、そもそも論として、本記事をご覧になっている多くの読者の皆さんにとっては「インターネットカジノ」なるものが、こんなに簡単に利用できてしまっている日本の現状に対する驚きの方が大きいのかもしれません。しかし今回の容疑者がそうであったように、残念ながら日本では合法とされていないはずのインターネットカジノは、既に皆様の手元のスマートホンから365日24日でアクセス可能となっています。

現在、この原稿を書いているのは5月20日ですが、実は毎年5月14日から20日は2018年に成立したギャンブル等依存症対策基本法の定める「依存症問題啓発週間」であり、4公営競技、パチンコ産業、貸金業、銀行業など、ギャンブル依存にまつわる各国内産業はこの1週間で一般への認知普及の活動を行い、就業者への教育を行うなど様々な取り組みを行っています。しかし、海外に拠点を置くネットカジノ業者は当然ながら日本の法律の規制下にありませんから、国内のギャンブル等産業に課されている様々な依存症対策などは講じられていません。要するに、いまや最も日本国民の身近からアクセス出来るという高リスクなギャンブル業態が、制度的に野放し状態で放置されているという状態になっているということです。

国境をまたいで提供されるインターネットカジノへの各種対策に関しては、実はギャンブル専門家として私自身が10年来、その必要性を訴えてきたことがらでもあります。以下の動画には、我が国を取り巻くインターネットカジノの現状から海外事情、そして本来ならばどの様な対策をもってそれらに臨むべきなのかなどを纏めております。今回の事件にあたって、インターネットカジノ問題に関心を持って頂いた方、対策の必要性をご認識頂けた方には、是非一度ご視聴頂けましたら幸いです。

※2022年3月31日修正: 示談先より要請がありましたので、先方への配慮として各名称を伏字にしました。

GA株式会社代表であるA氏がtwitter上において当方・木曽崇を「経歴詐称」などとして名誉棄損していた事案に関しまして、同氏および同氏の経営する法人を相手取り2020年12月に東京地方裁判所へ損害賠償請求の訴えを起こさせて頂いておりましたが、この度、本件訴訟は裁判官提示の条件案に基づき示談という形で終結いたしました。諸々の事情により本件の経緯及び示談内容に関する言及は出来ませんが、当方にとってはおおむね満足ゆく結果となりました事をここにご報告申し上げます。なお、損害賠償請求の対象となった元投稿に関しましては、既にA氏によって削除が行われているようです。

当方・木曽崇に関するネット上での誹謗中傷に関しては、2011年あたりから散見されるようになり、その後もネット上に残る過去ログをなぞる形で断続的に拡散されてきたものです。但し、この当方に対する誹謗中傷がその他多くのネット上での誹謗中傷事案と異なるのは、本件がネット発のものではなく、リアル側で起こっていた誹謗中傷事案に端を発していた点にあります。

つい数年前、関連する議員の逮捕などがあった事に象徴されるように、私の所在する日本のカジノ業界は「高度に政治的な」業界であり、合法化前段階の黎明期から水面下で様々な闘争が行われてきました。そのような業界にあって、アメリカから帰ってきたという特殊性から比較的しがらみが少なく自由に発言してきた(できた)私ではありましたが、それら政治闘争から完全に無縁であり続けられるわけもなく、これまで業界内で様々なネガティブキャンペーンが行われてきたのが実態であります。特にそれが熾烈化したのは2010年頃のこと。この時期には私に関連する事実に基づかない醜聞がいくつものバージョンで登場し、怪文書的に業界内に流布されることもありました。当時、私が書いたブログ上の記事は今でも残されております。
【参考1】http://www.takashikiso.com/archives/3702638.html
【参考2】http://www.takashikiso.com/archives/4374492.html

上記リンク先の記事内では曖昧にしておりますが、当然ながらその様な誹謗中傷の発信元は判っていたのが実態。2011年には当時の私のメインクライアントとなっていた事業者様に、当方への名誉棄損となる悪評を持ち込み木曽との関係を切る様に迫った人物がおり、当該事業者様が非常に真面目にも同人物の氏名、所属および情報提供日時/場所、対応社員の氏名、情報提供の内容などを詳細に報告書として残していたこと(そして私の元に事実関係の照会にいらっしゃった)、および同人物が当時私と同テーマで研究を行い競合関係にあった某学術系研究所所属の研究者であったことから、偽計業務妨害での提訴直前まで行った事案もありました。しかし当時、私のメインクライアントとなっていた事業者様から「ことを荒立てたくない」とのご要請を頂き、最終的に法的措置が叶わなかったというのが実態であります。
(※但し、当該研究者は私に対する事案とは別のネット上での他者に対する投稿で刑事事件にまで発展し、数年後に逮捕される結果になりました。私以外に対しても日常的に同じような行為を行っていた人物だったのでしょう)

一方、ネット上で行われてきた誹謗中傷に関してですが、2010年当初リアル側で起こっていた誹謗中傷行為とほぼ同じ内容が流布されるようになり、それがコピー&ペーストされ、次第に尾ひれを付けられる形で様々な場所に記載されるようになりました。発生当初は削除請求の訴えを起こしたり、書き込み者の情報開示請求訴訟を起こしたりしていましたが、ネットの匿名性の高さや、訴訟の対象が海外に所在しており訴訟を起こすことが困難であるなど様々なハードルに阻まれ(今は当時よりもだいぶ訴訟環境が良くなりましたが)、業務上マイナスの影響があるのは判りつつも、長らくそれらを放置せざるを得ない状態になっていたのが実態であります。

一方、A氏はtwitter上で私のみならず彼自身が「目の敵」にする複数の個人や法人へのヘイトを拡散していることで有名でありますが、ご自身が実名でそれを行っていること及び、その行為に対する責任は背負うつもりがあるなどとの理由で「自身の活動は他の誹謗中傷とは一線を画すものである」と日頃から豪語している存在でありました。

A氏におかれましては、本件においてもご自身の宣言どおり、しっかりと法的な責任を負って頂けましたことをご報告申し上げると共に、私にとっては積年の問題に対して一定のピリオドを打てる良いキッカケをご提供頂きましたことに、ある意味で感謝申し上げたいと思います。当方・木曽崇に対するその他の名誉毀損に関しましては、引き続き熟慮の上、対応すべきには適切に対応して参る所存です。

以上
2022年03月29日
国際カジノ研究所 所長
木曽 崇

さて、MBSが以下のように報じています。

『夢洲のIR誘致賛否を問う住民投票』求める署名活動を市民団体が開始 5月25日まで
https://www.mbs.jp/news/kansainews/20220325/GE00043099.shtml

3月25日、IR(カジノを含む統合型リゾート)の住民投票を求める署名活動が始まりました。大阪府と市は此花区にある夢洲でIRの2029年開業を目指しています。一方、市民団体は「巨額の公費負担への懸念や府民の合意が得られていない」などとして住民投票の必要性を訴えています。

大阪のカジノ反対派が中止を求める反対署名活動を始めたというニュースですが、正直、この人達、ただの選挙向けのパフォーマンスしているだけですよ。自治体から国へ提出が行われる統合型リゾートの整備区域申請の〆切は来月4月28日まで。その前に整備計画の地方議会での議決が要件となっていますので、大阪府議会では既に今月の24日に賛同決議がなされ、そして大阪市議会では来週の29日に議決が行われる予定となっています。

もしカジノ反対派がこの動きを本気で止めたいのであれば、議会決議の「前に」請願を挙げなければいけない。大阪と同様に統合型リゾート誘致の進んでいる和歌山や長崎では、当然のように地方議会での計画の議決の前に署名運動を開始し(残念ながら数は全然足りませんでしたが)既にそれを行政に向かって提出し終わっています。以下参照。

昨年12月3日報道:
IR誘致反対派 誘致中止を求める請願書を県議会に提出 長崎県

今年1月17日報道:
IR誘致の賛否問う住民投票、和歌山市長が実施に反対 直接請求に

ところが大阪の反対は、なぜか今頃になって署名運動を開始し、既に自治体から国へ向かっての申請が終わっている5月25日までそれを続けた上で、それらを行政に向かって提出するそうです。この人達、本気でカジノを止める気はないですよ。ただのポーズです。

じゃあ何で、そんな意味のない署名運動をやっているのかというと、完全に今年7月に予定されている参院選のためです。今年の参院選は6月22日公示の、7月10日投開票になる公算が高いとされていますが、5月25日まで署名運動を続けるとすると、それを取りまとめて行政に提出できるのが6月に入ってから。なんと奇遇なことに、ちょうどそこから参院選のキャンペーンが始まるんですね。いやあ、ホント偶然ですねー(棒

ということで、全く止める気のない大阪カジノ構想にファイティングポーズだけ取って、そのまま選挙戦になだれ込もうという下心が丸見えの大阪カジノ反対派ありました。大阪の有権者の方々、気をつけて。この人達ニセモノですよー。

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